行政書士として開業する前後は、思った以上に細かいものを購入します。
職印、表札、机、椅子、プリンター、書庫、文房具、名刺、書籍……。
一つひとつは小さな買い物でも、まとめるとそれなりの金額になります。
私は開業前後に必要そうなものをいろいろ購入しましたが、実際に使ってみると「これは買ってよかった」と思うものもあれば、「これは後回しでよかった」「正直なくてもよかった」と感じたものもありました。
この記事では、行政書士開業時に実際に購入したものをもとに、2026年時点の視点で「最初に買うもの」「あると便利なもの」「後回しでよいもの」「買わなくてもよかったもの」に分けて整理します。
とくに、次のような方の参考になると思います。
- 行政書士試験に合格して、登録・開業準備を始める方
- 自宅開業や小規模事務所で始めたい方
- 最低限の費用で開業準備をしたい方
- 何を買えばいいのか分からず、検索している方
- 開業準備で無駄な買い物を減らしたい方
なお、私は「お客様が頻繁に来所される事務所」ではなく、基本的には来所対応をあまり想定しない形で開業しました。そのため、立派な応接室を作りたい方や、最初から大きな事務所を構える方には足りない部分もあると思います。
逆に、自宅や小さな事務所から現実的に始めたい方には、かなり近い目線で読めるはずです。
まず結論:行政書士開業で最初に揃えるべきもの
行政書士開業で最初に揃えるべきものを、大きく分けると次の通りです。
- 最初に買うもの:職印/表札/鍵付き収納/PC/複合機/机/椅子/名刺
- あると便利:外部モニター/PCケース/電話環境/掃除用品/来客用品
- 後回し:紙の六法/専門書/高級什器/A3プリンター/本格的な応接セット
| 品目 | 必要度 | 開業前に買う? | 目安金額 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 職印 | 必須 | ○ | 2,000〜10,000円程度 | 登録・業務用に準備。安価なものでも可 |
| 表札 | 必須寄り | ○ | 1,000〜5,000円程度 | 事務所表示用。高級品でなくてもよい |
| 鍵付き収納・書庫 | 必須寄り | ○ | 5,000〜30,000円程度 | 書類保管用。事務所調査対策にも |
| PC | 必須 | ○ | 50,000〜150,000円程度 | 書類作成・メール・オンライン対応用 |
| プリンター・複合機 | 必須寄り | ○ | 15,000〜50,000円程度 | ADF付きが便利 |
| 机 | 必須 | ○ | 5,000〜30,000円程度 | 作業スペースとして必要 |
| 椅子 | 必須 | ○ | 5,000〜40,000円程度 | 長時間作業するなら重要 |
| 名刺 | 必須寄り | ○ | 1,000〜5,000円程度 | 挨拶・交流会・会務で使う |
| 事務用品 | 必須 | ○ | 3,000〜10,000円程度 | ファイル、封筒、ふせん、筆記具など |
| フレーム・掲示用品 | 必須寄り | ○ | 1,000〜5,000円程度 | 登録証・報酬額表などの掲示用 |
| 会計ソフト・記帳環境 | 必須寄り | △ | 0〜数万円 | 開業費・経費管理用 |
| 応接セット | 人による | △ | 10,000〜50,000円程度 | 来客ありなら検討。来客なしなら最低限で可 |
| プロフィール写真 | 人による | △ | 数千円〜20,000円程度 | ホームページや相談会のチラシなどに |
| 紙の六法 | 後回し | △ | 5,000〜8,000円程度 | 最初から必須とは限らない |
| 専門書 | 後回し | △ | 数千円〜 | 業務内容が決まってからでもよい |
最初から全部を完璧に揃える必要はありません。
特に開業初期は、「登録や事務所確認に必要なもの」「実際に仕事をするために必要なもの」「見栄えのためのもの」を分けて考えた方がよいです。
私は最初、必要そうなものを一気に揃えようとしていましたが、実際には後から買い足せばよいものも多かったです。
行政書士開業準備品チェックリスト
最初に、ざっくりしたチェックリストを置いておきます。
必須度A:最初に準備したいもの
- 職印
- 表札
- 鍵付き収納・書庫
- PC
- プリンター・複合機
- 机
- 椅子
- 名刺
- 登録証や報酬額表を掲示するフレーム
- 基本的な文房具
- 書類整理用品
- 事業用メールアドレス
- 会計・経費管理の仕組み
必須度B:あると便利なもの
- 外部モニター
- ワイヤレスマウス
- PCケース・バッグ
- スキャナー
- 電話番号・電話機
- ラベルライター
- 掃除用品
- 来客用スリッパ
- 応接用テーブル・椅子
後回しでよいもの
- 高級な応接セット
- 高級な職印
- 高額なオフィスチェア
- 紙の六法
- 行政書士法コンメンタール
- 大量の専門書
- A3対応プリンター
- 大型書庫
- 本格的なホームページ制作
買わなくてもよかった・必要になってからでよかったもの
- 使いにくい応接用椅子
- 立派すぎる什器
- 読まない専門書
- とりあえず買った紙の六法
- 使い道が決まっていない収納用品
開業準備では、「不安だから買う」という買い方をすると、けっこう無駄が出ます。
最初は、最低限の業務環境を作り、必要になったら追加していく方が安全です。
必須度A:最初に買うもの
ここからは、行政書士開業時に最初に準備したいものを順番に整理します。
職印
行政書士として開業するなら、職印は準備することになります。
職印は、いわゆる行政書士としての業務用の印鑑です。
開業準備の中でも「これは後回しにしにくいもの」に入ります。登録時に必要なので。
ただし、最初から高級なものを買う必要があるかというと、そこは人によります。
職印を選ぶときのポイント
- 行政書士用として使えるサイズ・形式か
- 印影が読みやすいか
- ケースが付いているか
- 人前で押す可能性があるか
- 価格と見た目のバランス
私は、最初から高級な職印を作る必要はないと思っています。
ただ、業務で使うものなので、あまりにも安っぽく見えるものは避けてもよいかもしれません。
とくに、対面でお客様の前で押印する機会が多い業務をするなら、見た目も少し気にした方がよいです。
逆に、開業直後で仕事がまだ少ない段階なら、標準的なもので十分だと思います。
職印の参考商品
安価な職印
標準的な職印
職印ケース
今ならこうする
今から買うなら、最初は「標準的な価格帯の職印」で十分だと思います。
ケースも、付属しているならそれでよいです。
立派な職印を持つこと自体は悪くありませんが、開業直後は他にも買うものが多いので、優先順位はそこまで高くありません。
表札
行政書士事務所として開業する場合、事務所名を表示するための表札も準備しておきたいものです。
立派な看板を作る必要はありませんが、事務所として外から分かる表示は必要になります。
自宅開業やマンション・アパートの場合は、物件のルールにも注意してください。
表札を選ぶときのポイント
- 事務所名が分かりやすいか
- 屋外・屋内のどちらに設置するか
- 貼り付け式か、マグネット式か
- 賃貸でも使いやすいか
- 高級感よりも読みやすさを優先する
私は、高級な看板よりも、まずは「ちゃんと表示されていること」が大事だと思います。
行政書士事務所らしい立派な看板にしたくなるかもしれませんが、最初から大きな看板を作る必要はありません。
とくに自宅開業の場合は、個人情報や防犯面も考える必要があります。
表札の参考商品
シンプルな事務所表札
今ならこうする
今なら、まずは小さめのプレートで十分だと考えます。
見た目を整えたい場合でも、最初から高額な看板を作るより、安価な表札で運用してから必要に応じて変更する方が安全です。
鍵付き収納・書庫
行政書士開業準備で見落としやすいのが、鍵付き収納です。
行政書士は、業務上、個人情報や重要書類を扱う可能性があります。
そのため、書類をきちんと保管できる環境は作っておいた方がよいです。
鍵付き収納を選ぶときのポイント
- 鍵がかかるか
- A4書類が入るか
- ファイルごと保管できるか
- 設置場所に合うサイズか
- あとから増やしやすいか
最初から大きな書庫を買う必要はありませんが、「鍵付きで書類を保管できる場所」は用意しておいた方が安心です。
鍵付き収納の候補
- 鍵付きワゴン
- 鍵付きキャビネット
- スチール書庫
- 小型金庫
- ファイルボックス+鍵付き収納
来客が少ない自宅開業でも、書類保管のことを考えると、何らかの鍵付き収納はあった方がよいと思います。
鍵付き収納の参考商品
鍵付きワゴン
鍵付きキャビネット
スチール書庫
今ならこうする
開業直後は書類量が少ないので、最初から大きな書庫を買うより、鍵付きワゴンや小型キャビネットでもよいと思います。
ただし、業務量が増えるとすぐ足りなくなるので、置き場所に余裕があるなら、少し大きめを選んでもよいです。
PC
PCは必須です。
行政書士業務では、書類作成、メール、オンライン研修、調べもの、会計処理、ホームページ更新など、ほとんどの作業でPCを使います。
スマホやタブレットだけで開業準備を進めるのはかなり厳しいと思います。
PCを選ぶときのポイント
- WordやExcelが問題なく使えるか
- PDF作成・編集ができるか
- オンライン会議に対応できるか
- キーボードが打ちやすいか
- 画面サイズが小さすぎないか
- 持ち運ぶか、据え置きで使うか
書類作成が中心であれば、ものすごく高性能なPCである必要はありません。
ただし、安すぎるPCは動作が重くなりやすく、毎日の作業ストレスになります。
また、行政が出している様式はほとんどがExcel・Word・PDFのため、Officeが入っていることが望ましいです。入ってない場合はサブスクで入れることもできます。
ノートPCかデスクトップか
私は、最初はノートPCの方が扱いやすいと思います。
理由は、場所を変えて作業できるからです。
行政書士会の研修、外出先、実家や自宅内の別室など、持ち運べるメリットは大きいです。
ただし、長時間作業するなら、外部モニターやキーボードを追加した方が楽です。
PCは10万円前後を標準ラインに考える
行政書士開業用のPCは、安く済ませようと思えば5万円前後のものもあります。
ただ、士業の仕事では書類作成、メール、PDF確認、オンライン研修、会計ソフト、ホームページ更新などを日常的に行います。
そのため、あまりに安いノートPCを選ぶと、動作の重さやサポート面でストレスになる可能性があります。
個人的には、開業用PCとしては次のあたりを目安にするとよいと思います。
- メモリ:16GB
- ストレージ:SSD 512GB前後
- 画面サイズ:14〜15.6インチ
- CPU:Core i5 / Ryzen 5 相当
- OS:Windows 11
- Office:必要に応じて別途用意
開業費を抑えたい場合でも、PCだけは削りすぎない方がよいです。
PCが遅いと、書類作成や調べもののたびに小さなストレスが積み重なります。
※女性は15.6インチだと入るバッグが限られてくるので注意!
PCの参考商品
安く済ませたい人向け:8万〜10万円台
標準的に選びたい人向け:10万〜13万円台
長く使いたい人向け:13万〜17万円台
ワイヤレスマウス
今ならこうする
今から買うなら、極端に安いPCよりも、事務作業を数年問題なくこなせる程度のものを選びます。
PCが遅いと、仕事以前に毎日の作業がつらくなります。
開業費を抑えるとしても、PCだけはあまり削りすぎない方がよいです。
プリンター・複合機
行政書士開業で悩みやすいのが、プリンターです。
「紙を使わない時代」と言われますが、行政書士業務ではまだまだ紙を使う場面があります。
登録申請書類、控え、本人確認書類、郵送書類、研修資料など、印刷・コピー・スキャンの機会は多いです。
プリンター選びで重視したいポイント
- コピーできるか
- スキャンできるか
- ADFが付いているか
- 両面印刷できるか
- インク代が高すぎないか
- 設置場所に置けるサイズか
- FAXが必要か
特におすすめしたいのは、ADF付きの複合機です。
ADFとは、自動原稿送り装置のことです。
複数枚の書類をまとめてスキャンできるので、書類を1枚ずつセットする手間が減ります。
A3対応は必要か
私は、最初からA3対応プリンターを買わなくてもよいと思います。
A3印刷が必要な場面はありますが、頻度が少ないならコンビニ印刷でも代替できます。
A3対応機は本体が大きく、価格も上がりがちです。
自宅や小さな事務所では、置き場所の問題もあります。
FAXは必要か
FAXについては、業務内容や地域によります。
行政書士業務では、まだFAX文化が残っている場面もあります。(特に許認可業務に携わる場合)
ただ、開業直後から必ずFAX付き複合機が必要かというと、そこは人によります。
FAXを使う予定がないなら、最初はFAXなし複合機でもよいと思います。
必要になった時点で、インターネットFAXなどを検討しても遅くありません。
私は必要な時だけコンビニで送っています。(受信する用事は今のところありません)
複合機の参考商品
ADF付き複合機
プリンター+コピー+スキャナー+FAX+電話+ADF(自動原稿送り)
家庭用複合機
プリンター+コピー+スキャナー
スキャナー専用機
スキャナー+高速ADF
今ならこうする
今から買うなら、A4対応・ADF付きの複合機を選びます。省スペースにもなります。
FAX機能やA3対応は、必要性が業務によるので、はっきりしてからでも良いかと思います。
プリンターは安く見えてもインク代がかかるので、本体価格だけでなくランニングコストも見た方がよいです。
ちなみに、モノクロのレーザープリンターは安いのですが、コンビニコピーほどは綺麗に印刷できません。
ゆくゆくはフルカラーレーザーをリースしてもいいかもしれませんが、開業直後はインクジェットで十分だと思います。
机
机は必須です。
行政書士業務は書類作成が多いので、PCだけでなく紙の書類を広げるスペースも必要になります。
机を選ぶときのポイント
- PCを置いても書類を広げられるか
- プリンターやモニターを置くか
- 奥行きが足りるか
- 部屋に圧迫感が出ないか
- 組み立てが難しすぎないか
小さすぎる机は、作業効率が下がります。
ノートPCだけなら小さな机でも足りますが、書類やプリンター、外部モニターを使うなら、ある程度の横幅が必要です。
机の参考商品
シンプルな事務机
省スペースデスク
L字デスク
今ならこうする
今なら、部屋の広さに合わせて「無理なく置ける最大サイズ」を選びます。
机は小さすぎると後悔しやすいです。
特に行政書士業務は、書類を確認しながら入力する作業があるので、PC周りに余白がある方が使いやすいです。
椅子
椅子は、開業準備品の中でもかなり大事です。
安い椅子でも開業はできます。
しかし、長時間座って作業するなら、椅子の影響は大きいです。
椅子を選ぶときのポイント
- 長時間座っても疲れにくいか
- 座面の高さが机に合うか
- 背もたれがあるか
- 肘掛けが机に干渉しないか
- 部屋の広さに合うか
私は、椅子は軽視しすぎない方がよいと思います。
行政書士業務は、調べものなどで地味に座りっぱなしの時間が長くなります。
椅子の参考商品
事務用チェア
長時間作業向けチェア
今ならこうする
今なら、安さだけで選ばず、座面の高さ・背もたれ・肘掛けの有無を確認します。
とくに肘掛け付きの椅子は、机の下に入らないことがあるので注意です。
名刺
名刺は、開業前後に用意しておくと便利です。
行政書士会の集まり、研修、交流会、知人への挨拶など、開業直後は意外と名刺を渡す機会があります。
名刺に入れる情報
- 氏名
- 行政書士事務所名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- ホームページURL
- 取扱業務
- 登録番号
最初から凝ったデザインにしなくてもよいです。
むしろ、読みやすく、連絡先が分かりやすい名刺の方が使いやすいです。
名刺の参考商品
名刺デザインサービス
ココナラは個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケットです。いろんなジャンルの「仕事」や「相談」を早く・簡単・おトクに依頼できます!もちろん名刺デザインや似顔絵も。
名刺印刷サービス
ラクスルはネットでかんたんに安く印刷物を注文出来るWEBサービスです。オンライン上で編集できるデザインソフトも用意されており、自分でデザインすることもできます。本当に安いです。
名刺ケース
今ならこうする
今なら、最初は少部数で作ります。
開業直後は、取扱業務や肩書きの書き方を変えたくなることがあるからです。
大量に刷るより、最初は100枚程度で様子を見る方が安全です。
登録前に交流会などに参加する場合は「開業準備中」として作成しましょう。登録前には行政書士を名乗れません。
登録証・報酬額表を掲示するフレーム
行政書士として登録すると、事務所に掲示するものが出てきます。
登録証や報酬額表などを掲示するために、フレームや額縁を用意しておくとよいです。
フレームを選ぶときのポイント
- サイズが合うか
- 壁掛けできるか
- 机や棚に立てかけられるか
- 事務所の雰囲気に合うか
- 高すぎないか
私は、ここも高級品である必要はないと思います。
ただ、見える場所に置くものなので、あまり安っぽすぎるものは避けてもよいかもしれません。
フレームの参考商品
A3フレーム
今ならこうする
最初はシンプルなフレームで十分です。
事務所の雰囲気を整えたい場合でも、後から買い替えできます。
文房具・事務用品
細かい文房具は、開業前後にまとめて揃えると楽です。
ただし、文房具は買いすぎ注意です。
「必要そう」と思って買っても、意外と使わないものがあります。
最初にあると便利な文房具
- ボールペン
- シャープペン
- フリクションペン
- 蛍光ペン
- ふせん
- クリアファイル
- クリップ
- ホチキス
- はさみ
- カッター
- のり
- セロテープ
- 製本テープ(契約書割印用)
- 封筒
- 角2封筒
- レターパック
- ファイルボックス
- インデックス
- 朱肉
- 印鑑マット
このあたりは、100円ショップで揃えられるものも多いです。
100均で十分だったもの
- はさみ
- カッター
- ふせん
- クリアファイル
- ファイルボックス
- 掃除用品
- 簡単な収納用品
多少いいものを買ってもよいもの
- ボールペン
- 朱肉
- 印鑑マット
- ホチキス
- 封筒
- ラベル用品
毎日使うものは、少し使いやすいものを選んでもよいです。
それに、ボールペンや朱肉は出先で出す機会が多いので、100均で買うのはおすすめしません。
文房具の参考商品
ちょっといいボールペン
今ならこうする
文房具は、最初から大量に買いません。
最低限だけ揃えて、よく使うものが分かってから買い足します。
会計ソフト・記帳環境
行政書士開業後は、売上や経費を記録する必要があります。
開業直後は売上が少なくても、開業費や備品購入費、会費、交通費などの支出は発生します。
そのため、最初から記帳の仕組みを作っておいた方が後で楽です。
選択肢
- 会計ソフトを使う
- Excelやスプレッドシートで管理する
- 税理士に依頼する
個人事業主として開業するなら、会計ソフトを使う人も多いと思います。
会計ソフトの参考商品
会計ソフト
実は私自身はfreeeを使っているのですが、事務経験のない方から「freeeは難しくてわからなかった」という声をたびたび聞きます。
もう一つ有名なソフトにマネーフォワードがありますが、2026年5月に不正アクセスによる個人情報流出が起こっているため、今回は弥生会計をおすすめします。
今ならこうする
私は、開業費や経費を後から整理するのが面倒だったので、最初から記録しておく方がよいと思います。
売上が少ない時期でも、支出の記録は必要です。
電子帳簿保存法も確認しておきましょう。
必須度B:あると開業後に楽なもの
ここからは、必須ではないものの、あると便利だったものを紹介します。
外部モニター
ノートPCだけでも仕事はできますが、外部モニターがあると作業がかなり楽です。
ノートPCとモニターをHDMIケーブル等(下記商品であれば同梱されています)で繋ぐだけで、ノートPCの画面をモニターに表示することができます。
行政書士業務では、資料を見ながら書類を作成したり、複数の画面を開いて確認したりすることがあります。
画面が広いと、作業効率が上がります。
IPSパネルのものが、目が疲れにくくおすすめです。
外部モニターの参考商品
24インチモニター
27インチモニター
今ならこうする
机に置けるなら、外部モニターは早めに買ってもよいです。
特に、書類作成や調べものが多い人にはおすすめです。
PCケース・バッグ
行政書士会の研修や外出先でPCを持ち運ぶ可能性があるなら、PCケースやバッグもあると便利です。
でも13~14インチであれば、バッグにそのまま入れてる方が多いように思います。
PCケースの参考商品
ノートPCケース
ビジネスバッグ
今ならこうする
持ち運び予定があるなら、PC購入時に合わせて買います。
持ち運ばないなら後回しで十分です。
私はバッグの中にPCをそのまま入れてることも多いですが、バッグがファイル等でギチギチの時にはPCケースがあって良かったなと思います。
電話番号・電話機
行政書士事務所として電話番号をどうするかも考える必要があります。
固定電話を引く、IP電話を使う、スマホの番号を使う、電話代行を使うなど、選択肢はいくつかあります。
電話まわりで考えること
- 事務所用番号を持つか
- 個人の携帯番号を公開するか
- 固定電話が必要か
- FAXを使うか
- 電話対応をどこまで行うか
私は、開業前に「電話をどうするか」は考えておいた方がよいと思います。
個人の番号で行政書士の登録申請をするのはあまりおすすめしません。
インターネット上の会員検索に載るので、営業電話がかなりかかってきます。
また、ホームページや名刺に載せたあとで変更すると、修正やお知らせが面倒です。
電話機の参考商品
固定電話機
イヤホンマイク
今ならこうする
来客や電話問い合わせを積極的に取りたいなら、フリーダイヤルや固定電話を用意します。
ただ、今はIP電話の方も多いです。最初から大げさな電話環境を作らなくてもよいと思います。
電話機について、私は一人事務所で、直で携帯に転送するようにしたため、電話機は短い期間しか使いませんでした。必要になってから購入してもいいかもしれません。
車を運転される方はイヤホンマイクを購入してください。(車側でハンズフリー通話できるなら不要です)
運転中に限って電話がよくかかってくるのは、あるあるです。
掃除用品・来客用品
事務所として使うなら、最低限の掃除用品も必要です。
来客がある場合は、スリッパや簡単な来客用品も準備しておくと安心です。
あると便利なもの
- 掃除機
- ウェットシート
- ゴミ箱
- スリッパ
- コート掛け
- 小さな荷物置き
- 消臭用品
掃除用品・来客用品の参考商品
掃除機
コート掛け
今ならこうする
来客なし想定でも、最低限の掃除用品・来客用品は置いておきましょう。
応接セット
行政書士開業で迷うのが、応接セットです。
私は、基本的にお客様が頻繁に来所される想定ではありませんでした。
それでも、登録時の確認や、万一の来客を考えて、最低限の応接スペースは用意しました。
来客ありの場合
来客ありの事務所なら、次のものは準備しておきたいです。
- 応接用テーブル
- 来客用椅子
- スリッパ
- 荷物置き
- コート掛け
- お茶出し用の道具
- 掃除用品
来客なしの場合
来客なし・自宅開業なら、最初から立派な応接セットを買う必要はないと思います。
ただし、登録や事務所確認の際に人が来る可能性を考えると、「座って話せる場所」はあった方が安心です。
応接セットの参考商品
テーブル・ソファーセット
テーブル・椅子セット
折りたたみ椅子
今ならこうする
今から準備するなら、立派な応接セットよりも、シンプルなテーブルと座りやすい椅子を選びます。
見た目だけで選ぶと、座りにくかったり、使いにくかったりします。
特に小さな椅子は、見た目はかわいくても実用性が低いことがあります。
プロフィール写真
開業後に、プロフィール写真も用意しました。
必須ではありませんが、ホームページや名刺、各種プロフィールに使うことを考えると、あらかじめ撮影しておくと便利です。
特に、
- ホームページに顔写真を載せる場合
- 名刺に写真を入れる場合
- SNSやブログと連携する場合
などは、写真があると統一感が出ます。
スマートフォンで撮影することもできますが、スタジオで撮影すると、やはり見た目の印象は整います。
必須か?
開業直後に必須ではありません。
ただ、後から必要になることが多いので、どこかのタイミングで用意しておくとスムーズです。
例えば無料相談会やセミナーを開くときに、写真が必要になることが多いです。
何カット必要か?費用感は?
プロフィール写真として使うなら1カットで十分です。保険で2カットでしょうか。
私が実際に使ったのは2カットで数千円のプランでした。通常1万円~2万円くらいかと思います。
ホームページに使いたい場合は、いろんなポーズの写真があってもよいです。
当たり前ですが、カットが増えると撮影料金も増えますので、使いどころを考えて撮影に臨みましょう。
今ならこうする
今なら、登録後、徽章を入手してから撮影に行きます。
ご挨拶がてら地元の個人経営のスタジオで撮るのもいいですし、ビジネスプロフィール写真に強いスタジオを探してもいいですね。
後回しでよかったもの・買わなくてもよかったもの
ここからは、実際に開業準備をしてみて「これは後回しでよかった」と感じたものをまとめます。
紙の六法
紙の六法は、買うと「ちゃんと法律職っぽい」感じがします。
ただ、開業直後から頻繁に使うかというと、人によると思います。
少なくとも私は、最初から紙の六法をしっかり使いこなしたわけではありません。
もちろん、紙で確認する習慣がある人や、法律を体系的に見たい人・判例を確認したい人には役立ちます。
しかし、開業準備でお金を抑えたいなら、最優先ではないと思います。
六法の参考商品
六法関連書籍
今ならこうする
今なら、最初から必ず買うものには入れません。
必要だと感じてから購入します。
行政書士法コンメンタール
行政書士法コンメンタールのような専門書は、持っていると勉強にはなります。
行政書士法についてはもちろん知っておくべきです。
ただ、単位会の研修や倫理研修などでも勉強できますので、そちらを確認してからでも良いかと思います。
専門書の参考商品
行政書士法関連書籍
今ならこうする
単位会や日行連でどんな研修が受けられるか確認してから、必要な分野の本を買います。
「とりあえず専門書を大量に買う」は、あまりおすすめしません。
高すぎる什器
開業すると、事務所らしい机、椅子、棚、応接セットを揃えたくなります。
ただ、最初から高額な什器を買う必要はありません。
開業直後は、そもそも自分の仕事の仕方が固まっていません。
来客が多いのか、外出が多いのか、オンライン中心なのか、書類保管がどれくらい必要なのかも、実際に動いてみないと分かりません。
今ならこうする
最初は、最低限の使いやすさを優先します。
見た目を整えるのは、仕事の流れが見えてからでも遅くありません。
費用別:行政書士開業準備セット
ここでは、予算別に開業準備品を整理します。
金額はあくまで目安です。
実際の価格は、購入時期や選ぶ商品によって変わります。
最低限セット:3万〜8万円程度
できるだけ費用を抑えるなら、まずはこのあたりです。
- 職印
- 表札
- 鍵付き収納
- 既存PCを使用
- 既存プリンターを使用、またはコンビニ印刷
- 既存机・椅子を使用(業務用・応接用)
- 名刺
- フレーム
- 最低限の文房具
PCやプリンターをすでに持っている場合は、かなり費用を抑えられます。
ただし、PCやプリンターが古すぎる場合は、開業後にストレスになる可能性があります。
標準セット:10万〜25万円程度
現実的に使いやすい環境を作るなら、このくらいを見ておくとよいと思います。
- 職印
- 表札
- 鍵付きキャビネット
- ノートPC
- ADF付き複合機
- 机
- 椅子
- 名刺
- フレーム
- 文房具
- 会計ソフト
- 外部モニター
このくらい揃えると、行政書士としての事務作業はかなり始めやすくなります。
見た目も整えるセット:25万〜50万円程度
来客を想定するなら、もう少し費用がかかります。
- 標準セット一式
- 応接テーブル
- 来客用椅子
- 書庫
- 掃除用品
- ホームページ
- ロゴ
- 追加の専門書
ただし、最初からここまで揃えなくても開業はできます。
「お客様が来る事務所」として見せたい場合に検討するラインです。
自宅開業・賃貸事務所・来客ありで必要なものは変わる
行政書士開業に必要なものは、事務所の形によって変わります。
自宅開業の場合
自宅開業の場合は、費用を抑えやすい一方で、生活空間との切り分けが重要になります。
自宅開業で考えたいこと
- 事務所スペースを確保できるか
- 書類を鍵付きで保管できるか
- 表札を出せるか
- 家族の生活空間と分けられるか
- 来客対応をどうするか
- 住所公開のリスクを許容できるか
自宅開業は安く始められますが、個人情報や生活感の問題があります。
来客を受けるなら、特に注意が必要です。
小規模賃貸事務所の場合
小さな賃貸事務所を借りる場合は、什器や通信環境の準備が必要になります。
小規模事務所で必要になりやすいもの
- 机
- 椅子
- 書庫
- 応接スペース
- インターネット回線
- 掃除用品
- 照明
- ゴミ箱
- 電源タップ
事務所を借りると、初期費用だけでなく毎月の固定費も発生します。
開業直後から売上が安定するとは限らないので、固定費は慎重に考えた方がよいです。
来客ありの場合
来客ありで運用するなら、最低限の見た目も大事です。
高級感までは不要でも、「ここで相談して大丈夫そう」と思える程度には整えておきたいところです。
来客ありで追加したいもの
- 応接テーブル
- 来客用椅子
- スリッパ
- 荷物置き
- 掃除用品
- 掲示物
- 名刺入れ
- お茶出し用品
来客なしの場合
来客なし・オンライン中心なら、応接セットよりもPC環境や書類管理を優先した方がよいです。
※来客なしを想定していても、「ちゃんと営業している事業者なのか確認したい」といった理由などで、事務所を確認したいというお客様もおられます。
来客なしで優先したいもの
- PC
- 複合機・スキャナー
- 鍵付き収納
- 机
- 椅子
- 外部モニター
- メール・電話環境
- 会計ソフト
来客なしなら、見栄えよりも実務効率を優先できます。
2026年に開業するなら、私ならこう揃える
ここまでを踏まえて、今から行政書士開業するなら、私なら次の順番で揃えます。
まず買うもの
- 職印
- 表札
- 鍵付き収納
- PC
- ADF付き複合機
- 机
- 椅子
- 名刺
- A4・A3フレーム
- 最低限の文房具
余裕があれば早めに買うもの
- 外部モニター
- ワイヤレスマウス
- PCケース
- ラベルライター
- 掃除用品
- 来客用スリッパ
- プロフィール写真
後回しにするもの
- 紙の六法
- 高額な専門書
- 本格的な応接セット
- 高級什器
- 大型書庫
- A3対応プリンター
開業準備では、「全部揃えないと始められない」と考えるとしんどくなります。
まずは、登録・事務作業・書類保管に必要なものを揃える。
その後、業務内容や来客の有無に合わせて買い足す。
この順番で十分だと思います。
よくある質問
- Q行政書士開業にプリンターは必要ですか?
- A
私は、あった方がよいと思います。
紙をまったく使わずに行政書士業務をするのは、現実的にはまだ難しいです。
ただし、A3対応やFAX付きまで最初から必要かは人によります。最初はA4対応・ADF付き複合機が使いやすいです。
- QFAXは必要ですか?
- A
業務内容や地域によります。
FAXを使う場面がある業務をするなら必要になる可能性があります。
ただ、開業直後から必須とは限りません。必要になってから、FAX付き複合機やインターネットFAXを検討してもよいと思います。
- Q紙の六法は必要ですか?
- A
最初から必須とは思いません。
法律を紙で確認したい人には便利ですが、開業準備品としての優先順位は高くないです。
まずは実際に仕事を始めて、必要性を感じてからでもよいと思います。
- Q応接セットは必要ですか?
- A
来客ありなら必要です。
来客なしなら、最初から立派な応接セットを買う必要はありません。ただし、登録時の確認や万一の来客を考えるなら、座って話せる場所は用意しておくと安心です。
- Q机と椅子は安物でいいですか?
- A
開業はできます。
ただし、長時間作業するなら、椅子はあまり安さだけで選ばない方がよいです。
机も小さすぎると書類作成がしにくくなります。最初から高級品にする必要はありませんが、「毎日使ってしんどくないか」は考えた方がよいです。
- Q開業前に全部買うべきですか?
- A
全部買う必要はありません。
開業前に揃えたいのは、登録・事務作業・書類保管に関わるものです。
専門書や高額な什器は、必要になってからでも間に合います。
- Q行政書士事務所の名前はどう決めればいいですか?
- A
行政書士事務所の名称は、同じ都道府県内で同一名称を使えない場合があります。
事務所名を決める前に、日本行政書士会連合会の「事務所名称の在否確認」や、登録予定の都道府県行政書士会の案内を確認してください。事務所名称の在否確認 | 日本行政書士会連合会事務所名称の在否確認平成16年8月1日施行の行政書士法一部改正により、新たな登録事項として「事務所の名称」が加わりました。 そこで日行連では「事務所の名称に関する指針」を定めましたが、その一項目として「同一都道府県内同一事務所名称の使用」に…
- Q登録申請に必要な書類はどこで確認できますか?
- A
新規登録申請に必要な書類は、日本行政書士会連合会や各都道府県行政書士会の案内で確認できます。
新規登録の手続 | 日本行政書士会連合会新規登録の流れ申請にあたっての注意事項令和5年4月1日以降の申請により、「誓約書」については行政書士法第2条の2第8号まで記載のあるものをご提出いただきます。詳しくは提出先の行政書士会にお問い合わせください。ただし、各都道府県行政書士会が会則で定める書類が追加で必要になる場合があります。
自分が登録する地域の行政書士会の情報を必ず確認してください。
まとめ:最初から完璧に揃えなくていい
行政書士開業準備では、いろいろなものを買うことになります。
しかし、最初から完璧な事務所を作る必要はありません。
最初に優先したいのは、次のものです。
- 登録や事務所確認に関わるもの
- 実際に書類作成をするためのもの
- 書類を安全に保管するためのもの
- 名刺や表札など、外部に見せる最低限のもの
逆に、次のものは後回しでもよいと思います。
- 高級な応接セット
- 高額な専門書
- 大型什器
- A3対応プリンター
- 使うか分からない収納用品
開業準備は、お金をかけようと思えばいくらでもかけられます。
だからこそ、「今すぐ必要なもの」と「必要になってから買えばよいもの」を分けることが大事です。
私は実際に開業前後でいろいろ購入しましたが、振り返ると、最初に全部を揃える必要はありませんでした。
まずは最低限の環境を作る。
実際に動いてみる。
必要になったものを買い足す。
このくらいの考え方で十分です。
