行政書士開業におすすめの会計ソフト|freee・マネーフォワード・弥生を個人事業主目線で比較

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おすすめ・ツール

行政書士として開業すると、実務そのものとは別に「経理をどうするか」という問題が出てきます。

開業費、事務用品、書籍代、会費、通信費、交通費、売上、入金確認。最初は小さな金額でも、放っておくとあとから整理するのがかなり大変です。

ただし、行政書士の場合は、一般的な個人事業主と少し違う注意点があります。

特に大事なのが、依頼人から報酬を受けたときの領収証です。行政書士法施行規則第10条では、日本行政書士会連合会の定める様式により正副二通の領収証を作成し、正本を依頼人へ交付し、副本を保存することが定められています。つまり、会計ソフトに付いている一般的な領収書テンプレートを、そのまま行政書士業務の報酬領収証として使う前提にはできません。

会計ソフトは便利ですが、「会計ソフトを入れれば行政書士業務の経理が全部そのまま完結する」と考えると危ないです。帳簿付け、確定申告、経費管理には役立つ一方で、行政書士としての領収証や業務上の記録は、別に確認して運用する必要があります。

会計ソフト以外にも、開業時にはパソコン、Office、PDFソフト、プリンター、職印、名刺などを順番に準備する必要があります。全体の費用感はこちらの記事でまとめています。

【2026年最新版】行政書士開業に必要なもの全部まとめ|実際に買った備品・不要だったもの・費用感

この記事では、行政書士開業に使う会計ソフトについて、freee・マネーフォワード・弥生を個人事業主目線で比較しつつ、領収証様式と電子帳簿保存法の注意点も整理します。

この記事でわかること

  • 行政書士開業に会計ソフトが必要な理由
  • 行政書士の領収証で会計ソフト標準様式を使えない理由
  • 電子帳簿保存法で最低限意識したいこと
  • freee・マネーフォワード・弥生を選ぶときの注意点
  • 最初から高いプランを選ばなくてよい理由

結論

行政書士開業直後の個人事業主なら、会計ソフトは使った方が経理は楽になります。

ただし、会計ソフトはあくまで「帳簿付け・経費管理・確定申告を助ける道具」です。行政書士業務の報酬領収証については、日本行政書士会連合会の定める様式を確認し、所属行政書士会の案内に従って運用する必要があります。

大まかな選び方は、次のように考えると分かりやすいです。

会計ソフト考え方
freee合う人には便利。ただし「難しい」「直感的でない」と感じる人もいるため、必ず試して判断
マネーフォワード連携機能は便利だが、2026年5月に不正アクセス事案が公表されているため、現時点では積極的には勧めにくい
弥生定番感やコスト面を重視する人の候補。会計ソフトらしい画面に抵抗がない人向け
Excel管理件数が少ないうちは補助的に使えるが、確定申告や電子帳簿保存法対応は別途確認が必要

どれか1つが絶対に正解というより、自分が続けやすく、税理士や税務署にも確認しやすい形を選ぶのが大事です。

なお、料金、無料期間、プラン内容、キャンペーン、セキュリティ対応状況は変わることがあります。契約前には必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

悩みやすいポイント

会計ソフト選びで悩みやすいのは、「開業直後から必要なのか」という点です。

売上がまだ少ないうちは、Excelや手書きでも管理できそうに見えます。実際、件数が少ないうちはそれでも回るかもしれません。

ただ、開業費や経費は開業前から発生します。パソコン、プリンター、書籍、交通費、登録関連費用、ホームページ関連費用など、あとから思い出して整理するのは大変です。

一方で、会計ソフトに期待しすぎるのも注意です。行政書士業務で依頼人に交付する領収証は、行政書士法施行規則第10条や日本行政書士会連合会の規則に基づく様式を確認する必要があります。会計ソフトで一般的な領収書を発行できるとしても、それをそのまま行政書士の報酬領収証として使う運用は避けるべきです。

もう一つ、電子帳簿保存法も気になるところです。メールで受け取った請求書、PDFの領収書、ネットでダウンロードした利用明細など、電子取引にあたるものは、紙に印刷するだけでなく、データとして保存する必要がある場合があります。細かい要件は変わることがあるため、国税庁の最新情報や税理士に確認しましょう。

選び方の基準

会計ソフトは、機能の多さだけでなく「行政書士としての運用に合うか」で選ぶのがおすすめです。

領収証は会計ソフトの標準様式をそのまま使わない

行政書士業務で特に注意したいのが領収証です。

行政書士法施行規則第10条では、依頼人から報酬を受けたときに、日本行政書士会連合会の定める様式により正副二通の領収証を作成し、正本を依頼人に交付し、副本を作成日から5年間保存することが定められています。

また、日本行政書士会連合会会則でも、同施行規則第10条に規定する領収証の様式は規則で定めるとされています。

そのため、freee、マネーフォワード、弥生などに領収書作成機能があっても、行政書士の報酬領収証としてそのまま使えるとは考えない方が安全です。

会計ソフトは、売上や入金の管理、確定申告のための記帳に使う。行政書士業務の領収証は、所属行政書士会や日行連の案内に沿った様式で管理する。このように分けて考えるのがおすすめです。

開業費を記録しやすいか

行政書士開業では、売上が出る前から支出が発生します。

パソコン、プリンター、Office、Adobe Acrobat、職印、名刺、ホームページ、書籍、交通費など、開業準備のために使ったお金は、あとで整理できるようにしておきたいところです。

開業費の扱いは個別事情によって変わるため、細かい税務判断は税理士や税務署に確認してください。ただ、少なくとも「いつ、何に、いくら使ったか」を記録しておくことは大切です。

電子帳簿保存法に軽くでも対応を意識する

電子帳簿保存法は、ざっくりいうと、帳簿や書類を電子データで保存する場合、また電子取引データを保存する場合のルールです。

行政書士開業直後に特に意識したいのは、電子取引です。たとえば、メールで受け取った請求書、Webからダウンロードした領収書、クレジットカードの利用明細、クラウドサービスの請求データなどは、電子データとして保存が必要になる場合があります。

会計ソフトには、電子帳簿保存法対応をうたう機能が用意されていることがあります。ただし、ソフトを使っていれば自動的に全部OKというわけではありません。保存方法、検索できる状態、訂正削除の履歴、スキャナ保存の要件など、細かい点は国税庁の最新情報や税理士に確認してください。

銀行口座・クレジットカード連携は便利だが慎重に見る

クラウド会計ソフトの便利なところは、銀行口座やクレジットカードと連携できる点です。

事業用の口座やカードを分けておくと、入出金の記録がかなり楽になります。毎回手入力するよりも、取り込みデータを確認して登録する方が続けやすいです。

ただし、金融機関連携は便利な反面、セキュリティや障害時の影響も考える必要があります。特にマネーフォワードについては、2026年5月にGitHubへの不正アクセスと、個人情報の一部流出の可能性、銀行口座連携の一時停止が公式に公表されています。

この件だけでサービス全体を否定する必要はありませんが、開業準備中の人に積極的に勧めるには慎重になりたいところです。契約前に、最新の調査状況、再発防止策、銀行連携の状況を公式情報で確認してください。

freeeは合う人・合わない人が分かれる

freeeは、簿記の知識がなくても入力しやすいように設計されているサービスとして紹介されることが多いです。

ただ、実際には「独特の考え方に慣れるまで難しい」「直感的でない」と感じる人もいます。会計ソフトらしい仕訳画面に慣れている人ほど、freeeの操作感が合わない場合もあります。

そのため、freeeを選ぶ場合は、いきなり本契約するのではなく、無料期間やデモ画面で、自分が毎月続けられそうかを確認するのがおすすめです。

弥生は定番感とコスト面で候補にしやすい

弥生は、会計ソフトとしての定番感があります。

画面や考え方が比較的「会計ソフトらしい」ため、税理士に相談するときにも話が通じやすい場合があります。コスト面を重視したい人や、昔ながらの会計ソフトに近い操作感がよい人には候補にしやすいです。

ただし、どのサービスもプラン内容や料金は変わります。契約前には、青色申告対応、電子帳簿保存法対応、請求書機能、スマホアプリ、サポート範囲を確認しましょう。

最初から高いものを買わなくてよい理由

会計ソフトは便利ですが、開業直後から最上位プランを選ぶ必要はありません。

最初は案件数も少なく、経費の件数も限られていることが多いです。まずは個人事業主向けの基本的なプランで、売上、経費、確定申告、電子取引データの保存にどこまで対応できるかを見るのが現実的です。

また、実際に使ってみないと、画面の分かりやすさや入力のしやすさは分かりません。無料期間やお試し期間がある場合は、いくつか触ってみて、自分に合うものを選ぶのもよい方法です。

行政書士の場合は、領収証を会計ソフトの標準様式に任せられない点もあります。つまり、高いプランを選べば行政書士業務の書類管理まで全部解決、というわけではありません。

ただし、ここはケチらない方がよいポイント

経理でケチらない方がよいのは、記録のしやすさ、継続しやすさ、保存ルールの確認です。

安さだけで選んで、入力が分かりにくい、銀行連携が使いにくい、電子取引データの保存が面倒、という状態になると、結局使わなくなります。

また、領収証の運用は軽く見ない方がよいです。行政書士としての報酬領収証は、会計ソフトの一般的な領収書テンプレートではなく、日行連の様式や所属行政書士会の案内に沿って管理しましょう。

レシートや領収書の保管も大切です。紙で受け取ったもの、PDFで受け取ったもの、メールで届いたものが混在します。月ごとに整理する、スキャナーでPDF化する、電子取引データはデータのまま保存するなど、自分が続けやすい方法を決めておきましょう。

税務判断に不安がある場合は、会計ソフトだけで解決しようとしないことも大切です。開業費の扱い、家事按分、消費税、青色申告、電子帳簿保存法の細かい要件などで迷う場合は、税理士や税務署に確認してください。

おすすめの選び方

私が開業予定者にすすめるなら、まずは「行政書士業務の領収証」と「税務・会計上の記録」を分けて考えます。

領収証は、行政書士法施行規則第10条と日行連の様式を確認し、所属行政書士会の案内に沿って運用します。会計ソフトは、売上計上、入金管理、経費管理、確定申告、電子取引データの整理に使います。

そのうえで、候補を選ぶなら次のように考えます。

  1. 弥生:定番感、コスト面、税理士への相談しやすさを重視する人。
  2. freee:操作感が合えば便利。ただし「難しい」「直感的でない」と感じる人もいるため、必ず試す。
  3. マネーフォワード:連携機能は魅力だが、直近の不正アクセス事案を踏まえ、現時点では慎重に検討。
  4. Excel:案件管理や補助管理には使えるが、会計・税務・電子帳簿保存法対応をExcelだけで抱え込まない。

選ぶときは、次の順番で確認すると失敗しにくいです。

  1. 自分の銀行口座やクレジットカードと連携できるか。
  2. 電子取引データの保存に対応しやすいか。
  3. 確定申告までの流れが分かりやすいか。
  4. 税理士に相談するときに使いやすいか。
  5. 領収証は別途、日行連様式で管理する前提を作れるか。

ホームページや広告に費用をかける場合も、経費管理は早めに整えておきたいところです。開業後は集客や実務に意識が向きやすいので、経理を後回しにしない仕組みを最初に作っておくと楽になります。

関連リンク

弥生は、定番感やコスト面を重視したい人に向いています。会計ソフトらしい画面に抵抗がない人や、税理士との連携を考えている人にも候補になります。

freeeは、操作感が合う人には便利な候補です。ただし、難しい・直感的でないと感じる人もいるため、契約前に画面や入力の流れを試してみるのがおすすめです。

マネーフォワードは、銀行口座やクレジットカードとの連携に強みがありますが、2026年5月の不正アクセス事案を踏まえ、現時点では積極的には勧めません。検討する場合は、公式の最新発表を確認してから判断してください。

会計や確定申告、電子帳簿保存法の基本を本で確認したい人は、個人事業主向けの新しい入門書を1冊持っておくと安心です。税制や制度は変わるため、なるべく新しいものを選びましょう。

よくある質問

行政書士に会計ソフトは必要ですか?

法律上、必ず会計ソフトを使わなければならないわけではありません。ただ、開業費、経費、売上、入金、確定申告を管理する必要はあるため、会計ソフトを使うとかなり楽になります。一方で、行政書士業務の報酬領収証は日行連の様式を確認して別途管理する必要があります。

会計ソフトの領収書機能は使えますか?

行政書士の報酬領収証としては、会計ソフトの一般的な領収書テンプレートをそのまま使う前提にはできません。行政書士法施行規則第10条と日本行政書士会連合会の規則に基づく様式を確認し、所属行政書士会の案内に従ってください。

freee、マネーフォワード、弥生のどれがよいですか?

弥生は定番感やコスト面を重視する人、freeeは操作感が合う人に向いています。マネーフォワードは連携機能が便利ですが、2026年5月に不正アクセス事案が公表されているため、現時点では慎重に検討した方がよいです。

電子帳簿保存法は何を意識すればよいですか?

まずは、メールやWebで受け取った請求書・領収書・利用明細などの電子取引データを、データのまま保存する必要がある点を意識しましょう。保存要件は細かいため、国税庁の最新情報や税理士に確認してください。

税理士に依頼していても会計ソフトは必要ですか?

税理士に依頼している場合でも、日々の売上や経費を自分で把握することは大切です。どのソフトを使うべきかは、依頼する税理士が対応しているサービスにもよります。契約前に相談しておくとスムーズです。

まとめ

行政書士として個人事業主で開業するなら、会計ソフトは早めに用意しておくと安心です。

ただし、行政書士業務では、会計ソフトの領収書機能をそのまま使えばよいわけではありません。行政書士法施行規則第10条に基づき、日本行政書士会連合会の定める様式による領収証の運用を確認する必要があります。

電子帳簿保存法についても、メールやWebで受け取った請求書・領収書などの電子取引データをどう保存するか、開業直後から軽くでも意識しておきましょう。

会計ソフトは、弥生、freee、マネーフォワードのどれかが絶対に正解というものではありません。弥生は定番感、freeeは操作感が合うかどうか、マネーフォワードは直近の不正アクセス事案を踏まえた慎重な検討が必要です。

税務判断に関わる部分は、会計ソフトだけで断定せず、必要に応じて税理士や税務署に確認してください。行政書士としての領収証管理と、税務上の帳簿管理を分けて考えると、開業後の不安がかなり減ります。

参考情報

開業前に必要なものを知りたい方はこちら
【2026年最新版】行政書士開業に必要なもの全部まとめ

開業後に実際に必要だったものはこちら
行政書士開業後に「結局必要だったもの」

この記事を書いた人:zai

このブログは、行政書士として開業した個人の実体験をもとに運営しています。
特別な経歴や人脈がある状態ではなく、有利とは言えない条件からのスタートでしたが、開業自体は現実的な選択として進めてきました。

開業準備で実際に必要だったものや費用、運用してみて分かったことなどを中心にまとめています。
これから開業を検討している方の判断材料として役立てていただければと思います。

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