行政書士として開業準備をしていると、パソコンと同じくらい迷いやすいのがプリンター・複合機です。
家庭用プリンターで足りるのか、コピーやスキャンができる複合機にするのか、FAX付きが必要なのか、A3対応まで見ておくべきなのか。私も開業前は、このあたりでかなり悩みました。
結論からいうと、開業直後から高額な業務用複合機を入れる必要はない人が多いです。
ただし、行政書士業務では紙書類、郵送書類、本人確認書類の控え、PDF化した資料を扱う場面があります。印刷だけできればよいというより、コピー、スキャン、PDF管理まで含めて止まらない環境を作ることが大事です。
この記事では、行政書士開業用のプリンター・複合機について、ADF、FAX、A3対応、スキャン機能をどう判断するかを整理します。
この記事でわかること
- 行政書士開業にプリンター・複合機が必要になりやすい理由
- ADF、FAX、A3対応をどう判断するか
- スキャンとPDF管理を軽く見ない方がよい理由
- 開業直後から高額な複合機を買わなくてよい理由
- 複合機とオンラインFAXの考え方
結論
行政書士開業直後は、まずA4対応の複合機で足りる人が多いです。
単なるプリンターではなく、コピーとスキャンができる複合機を選ぶ方が実務では使いやすくなります。特に、複数枚の書類をまとめて読み取れるADFは、紙書類をPDF化する人にとって便利です。
判断の目安は、次のとおりです。
| 機能 | 開業直後の考え方 |
|---|---|
| A4印刷 | ほぼ必要。家庭用複合機でも対応しやすい |
| コピー | 本人確認書類や控え作成であると便利 |
| スキャン | 紙書類をPDF管理するなら重要 |
| ADF | 複数枚の書類を扱うなら重視したい |
| FAX | 業務分野、相手先、地域運用で判断する |
| A3対応 | 便利だが全員必須ではない。使用頻度と置き場所で判断する |
最初から全部入りを選ぶより、自分が扱う書類の量、紙で受け取る機会、FAXの必要性、A3を使う頻度で考える方が失敗しにくいです。
プリンター選びで悩みやすいポイント
プリンター・複合機で悩みやすいのは、「どこまでの機能を最初から持たせるか」です。
開業前は、印刷できれば十分に見えるかもしれません。ただ、実務では印刷よりも、コピーやスキャンで困ることがあります。本人確認書類を控える、郵送前に書類一式を保存する、受け取った紙書類をPDFで残す、といった場面が出てくるからです。
FAXも判断が分かれます。最近はメールやWebフォームで済む場面も増えていますが、業務分野や相手先によってはFAXを使う可能性があります。とはいえ、行政書士なら必ずFAX付き複合機が必要、とまでは言い切れません。
A3対応も同じです。A3が印刷できると便利な場面はありますが、本体が大きくなり、価格も上がりやすく、置き場所も必要です。自宅開業の場合は、机や棚に置けるかまで考えた方がよいです。
印刷よりもスキャンを軽く見ない
開業準備中は、プリンターというと「書類を印刷する機械」と考えがちです。
でも、行政書士業務ではスキャンの方が効いてくる場面があります。紙で受け取った資料をPDF化する、本人確認書類の控えを保存する、郵送前の書類一式を記録する、あとで探せるようにデータで残す、といった作業があるからです。
紙とPDFを行き来する前提なら、スキャンしやすい複合機を選んだ方が日々の負担は減ります。
スキャンしたPDFを結合、分割、圧縮、OCR、ページ入れ替えする場面が増えるなら、PDFソフトもあわせて検討すると作業しやすくなります。
ADFはあると作業時間が変わる
ADFは、複数枚の紙を自動で読み込んでくれる機能です。
1枚ずつガラス面に置いてスキャンする方法でも作業はできます。ただ、10枚、20枚と書類が増えると、かなり手間がかかります。開業直後は件数が少なくても、業務が増えるとスキャン枚数も増えます。
紙の書類をPDFで保存したい人、控えをデータ化したい人、郵送前に書類一式を記録しておきたい人は、ADF付きの複合機を候補に入れると後悔しにくいです。
もちろん、ADFがないと開業できないわけではありません。紙書類が少なく、単発のスキャンだけなら手動でも足ります。ただ、長く使うつもりなら、ADFは優先度の高い機能です。
FAXは業務分野と相手先で判断する
FAXについては、必要・不要を一律に決めにくいです。
行政書士業務でも、すべてのやり取りがFAXというわけではありません。一方で、相手先や業務分野、地域の運用によっては、FAXを使う場面が残っている可能性があります。
そのため、開業前から高いFAX付き複合機を必ず買うというより、まずは自分が扱う予定の業務でFAXが必要になりそうかを確認するのが現実的です。
登録申請や事務所設備に関わる部分は、所属予定の行政書士会の案内も確認してください。運用は地域によって異なる場合があります。
FAX付き複合機を選ぶ前に、そもそも行政書士事務所としてFAX番号を持つ必要があるかを考えておくと無駄が少なくなります。電話番号やFAX番号の考え方は、別記事で整理しています。
A3対応は便利だが全員必須ではない
A3対応プリンターは、あると便利です。ただし、開業直後から全員に必要とは限りません。
A3対応機は本体が大きくなりやすく、自宅開業では置き場所に困ることがあります。価格もA4機より上がりやすく、インクやトナーのコストも含めて考える必要があります。
A3を使う頻度が低いなら、必要なときだけコンビニ印刷や外部サービスを使う方法もあります。頻繁にA3を扱う業務をする見込みがある場合は、最初からA3対応を検討してもよいと思います。
インクジェットとレーザーの違い
インクジェットは、本体価格を抑えやすく、カラー印刷にも対応しやすいです。自宅開業で印刷枚数がそこまで多くない場合は選びやすいと思います。
レーザーは、文字印刷が速く、にじみにくく、印刷枚数が多い人に向いています。ただし、本体が大きめで、トナー交換の費用も確認が必要です。
どちらが絶対に正解というより、印刷量、カラーの必要性、置き場所、ランニングコストで判断します。許認可系では写真が必要な業務もあるため、開業直後はカラー対応のインクジェット複合機から始める人も多いと思います。
最初から高いものを買わなくてよい理由
開業直後は、プリンター以外にも準備するものがたくさんあります。パソコン、Office、PDFソフト、職印、名刺、ホームページ、会計ソフトなど、細かい費用が重なります。
その中で、いきなり大きな業務用複合機を契約したり、高額なA3対応機を買ったりすると、初期費用が重くなります。
もちろん、最初から書類量が多い業務を扱う予定がある人、事務所に来客が多い人、A3印刷が頻繁に必要な人は、しっかりした複合機を選ぶ意味があります。
ただ、多くの開業直後の人にとっては、まずA4対応の複合機から始め、足りない部分を外部サービスで補う方が現実的です。A3印刷はコンビニや印刷サービスで対応できますし、FAXもオンラインFAXを検討できる場合があります。
開業してみないと、自分がどのくらい紙を使うかは分かりません。だからこそ、最初は必要十分な構成で始める方が、無駄な出費を避けやすいです。
ケチりすぎない方がよいポイント
高額な複合機は不要でも、ケチりすぎると後悔しやすいポイントがあります。
まず、スキャン機能です。印刷だけできるプリンターではなく、スキャンできる複合機を選ぶ方が実務では便利です。紙の書類をPDF化できないと、あとで管理が面倒になります。
次に、ADFです。絶対に必要とまでは言いませんが、複数枚の書類を扱うならかなり便利です。1枚ずつ手で置く作業は、件数が増えるほど負担になります。
そして、ランニングコストです。本体価格だけで選ぶと、インク代やトナー代で後悔することがあります。購入前に、交換インクやトナーの価格、印刷可能枚数の目安、純正品の入手しやすさを確認しておきましょう。
置き場所も大事です。大きすぎる複合機を買うと、机や棚の配置に困ります。特に自宅開業の場合は、生活スペースとのバランスも考えたいところです。
パソコン環境との相性も見る
プリンター・複合機は、単体で考えるより、パソコンやPDFソフトとセットで考えた方が選びやすいです。
Wi-Fi接続、USB接続、スマホ印刷、スキャンデータの保存先などが自分の作業環境に合っていないと、毎回小さなストレスになります。
パソコン本体、外部モニター、Office、PDFソフト、プリンターまで含めて作業環境を整えると、書類作成から印刷・保存まで流れが止まりにくくなります。
複合機・FAX環境の候補
A4対応の複合機
開業直後の候補として探しやすいのは、A4対応の複合機です。印刷、コピー、スキャンに対応していて、ADF付きのモデルを中心に比較すると選びやすくなります。
A3対応の複合機
A3印刷を頻繁に使う見込みがある人は、A3対応複合機も候補になります。ただし、本体サイズ、置き場所、インクやトナーのコストまで見てから判断した方が安心です。
オンラインFAX
FAXを使う可能性があるけれど、複合機にFAX機能を付けるか迷う場合は、オンラインFAXも比較対象になります。番号の扱い、料金、送受信方法、解約条件などを確認し、業務で使えるかを見て判断しましょう。
よくある質問
行政書士にFAX付きプリンターは必要ですか?
必ず必要とは断定できません。メールやWebでのやり取りが増えている一方で、業務分野や相手先によってはFAXを使う場面が残っている可能性があります。登録申請や事務所設備に関わる部分は、所属予定の行政書士会に確認してください。
A3対応プリンターは買うべきですか?
A3を頻繁に扱う予定があるなら検討する価値があります。ただし、A3対応機は本体が大きく、価格も上がりやすいです。使用頻度が低いなら、コンビニ印刷や外部サービスで対応する方法もあります。
家庭用プリンターで開業できますか?
開業直後で書類量が少ない場合は、家庭用のA4複合機で始められることもあります。ただし、印刷だけのプリンターではなく、コピーとスキャンができるものを選ぶ方が安心です。
ADFは必要ですか?
必須ではありませんが、複数枚の書類をスキャンするならかなり便利です。行政書士業務では紙の書類をPDF化する場面があるため、長く使うならADF付きの複合機を選ぶと作業時間を減らせます。
レーザーとインクジェットはどちらがよいですか?
印刷枚数が少なめでカラーも使いたいならインクジェット、文字中心で印刷枚数が多いならレーザーが向いています。本体価格だけでなく、インクやトナーの交換費用、置き場所、印刷速度も含めて判断しましょう。
まとめ
行政書士開業用のプリンター・複合機は、最初から高額な業務用機を用意しなくても始められる人が多いです。
まずはA4対応の複合機を基本に考え、コピー、スキャン、ADFの有無を確認しましょう。特にスキャンとADFは、紙の書類をPDFで管理するうえで便利です。
FAXやA3対応は、人によって必要性が分かれます。業務分野、提出先、所属予定の行政書士会の運用によって変わる可能性があるため、購入前に最新の案内を確認してください。
本体価格だけで選ばず、インクやトナーのランニングコスト、置き場所、PDF管理との相性まで見ると、開業後に後悔しにくくなります。