行政書士として開業するとき、「ホームページは最初から必要なのか」で迷う人は多いと思います。
私も開業準備中は、WordPressで作るべきか、ペライチのような簡単なサービスで十分なのか、それともGoogleビジネスプロフィールだけでもよいのか、かなり悩みました。
ただ、今あらためて考えると、ホームページは一括りにして考えない方がよいです。
行政書士のホームページには、大きく分けて「信頼確認用HP」と「WEB集客用HP」があります。この2つは、目的も、必要な作り込みも、かけるべき費用もまったく違います。
行政書士業務の中には、そもそもネット検索をあまりしない層がお客様になる業務もかなりあります。紹介、知人、地域のつながり、他士業からの紹介、既存顧客からの相談などで仕事が来る場合、ホームページは検索で集客するためというより、「この人は本当に行政書士なのか」「どんな人なのか」を確認してもらう場所になります。
その場合は、凝ったホームページや高額な制作は必要ありません。事務所名、プロフィール、取扱業務、連絡先が分かる1ページでも、十分に役割を果たすことがあります。
一方で、検索から相談を獲得したいなら話は別です。WEB集客用のホームページは、専門業務ページ、地域ページ、FAQ、事例、ブログ、問い合わせ導線、アクセス解析、継続的な改善が必要になります。制作会社に依頼すれば高額になりやすいですし、自分でやる場合もWordPressやSEO、ライティングの知識がないと厳しいです。
ホームページ以外にも、開業時にはパソコン、名刺、電話番号、職印、会計ソフトなどを順番に準備する必要があります。開業準備全体はこちらの記事でまとめています。
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この記事では、行政書士開業にホームページが必要かを、「信頼確認用HP」と「WEB集客用HP」に分けて整理します。
この記事でわかること
- 行政書士開業にホームページが必要か
- 信頼確認用HPとWEB集客用HPの違い
- 高額制作が不要なケースと必要になりやすいケース
- WordPress・ペライチ・Googleビジネスプロフィールの使い分け
- ホームページを育てるなら何を増やしていくべきか
結論
行政書士開業でホームページを作るなら、まず「信頼確認用HP」なのか「WEB集客用HP」なのかを分けて考えるのがおすすめです。
紹介や知人経由、地域のつながり、同業者・他士業からの紹介が中心なら、最初は信頼確認用HPで十分です。名刺を受け取った人や紹介された人が検索したときに、実在性、人柄、業務内容、連絡先を確認できれば役割を果たします。
この場合、高額な制作は必要ありません。ペライチなどの簡易サービス、Googleサイト、最低限のWordPress、1ページだけの事務所案内でも十分なことがあります。
一方で、検索から相談を取りたいなら、WEB集客用HPとして考える必要があります。これは「とりあえず作る」だけでは足りません。ページ設計、SEO、文章、専門性、問い合わせ導線、更新、改善が必要です。
大まかな使い分けは、次のとおりです。
| 目的 | 向いている作り方 |
|---|---|
| 信頼確認用HP | ペライチ、Googleサイト、簡易サービス、最低限のWordPress |
| WEB集客用HP | WordPress、専門業務別ページ、地域ページ、継続更新 |
| 地域での表示補助 | Googleビジネスプロフィール |
| 制作を任せたい | 制作会社。ただしWEB集客目的なら高額化しやすい |
ホームページを作ればすぐ依頼が来る、とは考えない方がよいです。特にWEB集客用HPは、作って終わりではなく、育て続ける前提で考える必要があります。
悩みやすいポイント
ホームページで悩みやすいのは、「開業直後からお金をかけるべきか」です。
これは、目的によって答えが変わります。
信頼確認用HPなら、開業直後から高額な制作会社に依頼する必要はありません。むしろ、最初は小さく作っておき、業務内容や料金、プロフィールが固まってから整える方が無駄が少ないです。
紹介で名前を聞いた人が検索したときに、事務所名、行政書士名、顔写真またはプロフィール、対応業務、対応地域、連絡先、登録番号、営業時間が確認できる。それだけでも、何も出てこない状態よりかなり安心感があります。
一方で、WEB集客用HPを作りたいなら、軽く考えない方がよいです。
たとえば「建設業許可 地域名」「相続 行政書士 地域名」「在留資格 相談 地域名」のような検索から問い合わせを取りたい場合、ただ事務所概要を書いただけのページでは足りません。
検索する人の悩み、手続きの流れ、必要書類、費用感、よくある質問、相談するメリット、問い合わせ導線まで設計する必要があります。さらに、一度作ったページも見直しや追記が必要です。
制作会社に依頼すれば費用は高くなりやすいです。自分でやる場合も、WordPress、SEO、ライティング、画像作成、保守、アクセス解析などを少しずつ覚える必要があります。
選び方の基準
ホームページは、「何のために作るか」で選び方が変わります。
信頼確認用HPなら軽く始めてよい
信頼確認用HPは、名刺や紹介のあとに見てもらうためのページです。
目的は、検索で新規客を大量に集めることではありません。相手が「この人に相談して大丈夫そうか」を確認できることです。
信頼確認用HPに最低限入れたい内容は、次のとおりです。
- 事務所名
- 行政書士名
- 顔写真またはプロフィール
- 取扱業務
- 対応地域
- 連絡先
- 営業時間
- 事務所所在地または対応エリア
- 登録番号
- 問い合わせ方法
この程度なら、ペライチなどの簡易作成サービス、Googleサイト、最低限のWordPressでも作れます。デザインに強くこだわりすぎるより、見た人が安心できる情報をきちんと載せる方が大切です。
ネット検索しない層がお客様になる業務では、信頼確認用HPで十分なこともあります。たとえば、紹介や地域の関係性から相談が来る場合、ホームページは営業の主役ではなく、信頼を補強する脇役です。
ホームページを作る場合、名刺にURLやQRコードを載せるかもあわせて考えると動線が作りやすくなります。名刺に何を載せるかは、開業初期の業務方針に合わせて決めるのがおすすめです。
関連記事:[行政書士開業に名刺は必要?何枚作るべきか・載せる項目・おすすめ印刷サービス]
WEB集客用HPは継続管理が前提
WEB集客用HPは、検索から問い合わせを獲得するための営業媒体です。
信頼確認用HPとは別物として考えた方がよいです。
必要になる要素は、たとえば次のようなものです。
- 専門業務ごとのページ
- 地域名を意識したページ
- 手続きの流れ
- 必要書類
- 費用感
- よくある質問
- 相談事例や対応例
- 問い合わせフォーム
- 電話・メールへの導線
- スマホ表示の最適化
- アクセス解析
- 定期的な見直し
制作会社に依頼する場合は、初期制作だけでなく、保守費用、記事追加、改善提案、広告運用などで費用がかかることがあります。
自分で作る場合も、無料で簡単にできるというより、時間をかけて覚える必要があります。WordPressの使い方、SEOの基本、検索意図に合った記事の書き方、問い合わせにつなげる導線設計などを避けて通れません。
WEB集客は広告運用かSEOが基本となります。月1回でも更新や改善をするつもりがないなら、WEB集客用として大きく作り込むのは慎重に考えた方がよいです。
WordPressは育てるなら有力
WordPressは、WEB集客用HPとして育てるなら有力な選択肢です。
専門業務ごとのページ、料金案内、プロフィール、ブログ記事、よくある質問、お問い合わせフォームなどを自由に作りやすいからです。
たとえば、建設業許可、相続、遺言、在留資格、補助金など、自分が扱いたい業務ごとにページを作り、少しずつ情報を増やしていくことができます。
ただし、WordPressは簡単そうに見えて、続けるには知識が必要です。サーバー、ドメイン、テーマ、セキュリティ、バックアップ、更新、SEO、記事作成など、自分で管理することが増えます。
信頼確認用HPだけなら、WordPressにこだわらなくてもよいです。WEB集客まで考えるなら、WordPressを育てる価値があります。
ペライチなどの簡易サービスは信頼確認用に向いている
ペライチのような簡易ホームページ作成サービスは、信頼確認用HPとして使いやすいです。
テンプレートを使えば、プロフィール、業務内容、料金、問い合わせ先を比較的短時間で整えられます。開業直後に「とりあえず名刺に載せるURLがほしい」「紹介された人に見てもらうページがほしい」という場合にはかなり現実的です。
ただし、長期的に記事を増やしたり、細かくSEO対策をしたり、自由にカスタマイズしたりする点では、WordPressの方が向いている場面もあります。
最初は簡易サービスで信頼確認用HPを作り、業務が固まってからWordPressへ移行する方法もあります。
Googleビジネスプロフィールは補助として考える
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上で事務所情報を表示するための仕組みです。
地域で行政書士を探す人に見つけてもらいやすくなる可能性があります。営業時間、住所、電話番号、写真、口コミなどを整えられるため、地域型の事務所には相性がよいです。
ただし、Googleビジネスプロフィールだけで信頼確認や詳細説明をすべて完結させるのは少し弱い場合があります。
事務所の考え方、プロフィール、料金の目安、取扱業務の説明、問い合わせ前の不安解消は、やはりホームページがある方が整理しやすいです。
また、自宅開業の場合は住所表示の扱いに注意が必要です。公開範囲や事務所表示について不安がある場合は、所属予定の行政書士会やGoogleの最新案内を確認してください。
最初から高いものを買わなくてよい理由
信頼確認用HPでよいなら、開業直後から高額制作に振り切る必要はありません。
開業時には、ホームページ以外にも費用がかかります。パソコン、プリンター、Office、PDFソフト、職印、名刺、電話番号、会計ソフトなど、そろえるものが多いです。
また、開業直後は自分の専門業務がまだ固まっていないこともあります。最初は相続を中心に考えていたけれど、実際には建設業許可の相談が増えた。あるいは、オンライン相談より地域の紹介案件が多かった。こうした変化は珍しくありません。
その段階で高額なサイトを作り込むと、あとから大幅に修正したくなる可能性があります。
まずは信頼確認用HPとして小さく公開し、名刺や紹介から見てもらえる状態にする。その後、業務内容が固まってきたら専門ページや記事を増やす。この順番でも十分現実的です。
ただし、WEB集客用HPを最初から狙うなら、相応の費用や時間は必要です。ここを安く簡単に済ませようとすると、見た目はあるけれど問い合わせにつながらないサイトになりやすいです。
ただし、ここはケチらない方がよいポイント
信頼確認用HPでも、ケチりすぎると後悔しやすいポイントがあります。
まず、プロフィールです。行政書士に相談する人は、「この人に相談して大丈夫か」を見ています。経歴、対応姿勢、開業した理由、どんな相談を受けたいかを丁寧に書くだけでも印象は変わります。
次に、問い合わせ導線です。ホームページを見た人が、どこから問い合わせればよいのか分からない状態は避けましょう。電話番号、メールフォーム、受付時間、対応地域などは分かりやすく載せたいところです。
スマホ表示も必ず確認しましょう。紹介された人がスマホで検索して見ることは多いです。パソコンではきれいでも、スマホで文字が小さい、ボタンが押しにくい、問い合わせ先が見つからない状態ではもったいないです。
独自ドメインも、長く使うつもりなら検討した方がよいです。無料URLでも始められますが、名刺やメールアドレスにも関わるため、あとから変更すると手間が増えます。
WEB集客用HPなら、文章と導線は特にケチらない方がよいです。検索で来た人は、悩みが解決しそうか、費用感が分かるか、相談してよさそうかを見ています。見た目だけ整えても、内容が薄いと問い合わせにはつながりにくいです。
育てていくならこういう方向性
ホームページを育てるなら、最初から大きく作るより、段階的に増やすのがおすすめです。
まずは信頼確認用HPとして、小さく公開します。
最初に入れるのは、事務所名、行政書士名、プロフィール、取扱業務、対応地域、連絡先、登録番号、営業時間、問い合わせ方法です。これで、名刺や紹介から見に来た人が安心できる状態を作ります。
次に、反応がある業務、紹介でよく聞かれる業務、今後問い合わせがほしい業務から、専門ページを追加します。
たとえば、次のような形です。
- 建設業許可のページ
- 相続手続きのページ
- 遺言書作成サポートのページ
- 在留資格のページ
- 内容証明のページ
- 契約書作成のページ
1業務1ページで、検索する人の悩みに答えるように作ります。
記事を書くなら、日記ではなく、検索者が知りたい内容を中心にします。
- どんな人が対象か
- 手続きの流れ
- 必要書類
- 費用感
- よくある質問
- 自分に依頼するメリット
- 問い合わせ前に確認してほしいこと
このようなページを少しずつ増やし、アクセスや問い合わせを見ながら改善していくのが、WEB集客用HPの育て方です。
逆に、月1回でも更新や改善をするつもりがないなら、無理にWEB集客用として作り込まない方がよいです。信頼確認用HPとして整えておくだけでも、開業初期には十分意味があります。
おすすめの選び方
私が開業予定者にすすめるなら、まずは自分の仕事の取り方を考えます。
紹介、知人、地域のつながり、他士業からの紹介が中心になりそうなら、信頼確認用HPで十分です。ペライチ、Googleサイト、簡易サービス、最低限のWordPressで、1ページから始めてもよいと思います。
ネット検索から相談を取りたい業務を明確に決めているなら、WEB集客用HPとして考えます。この場合は、自分で勉強してWordPressを育てるか、制作会社に制作と運用を依頼するかを決めます。
WEB集客用として作るなら、最初に「どの業務で問い合わせがほしいか」を絞った方がよいです。何でもできますという総合ページだけでは、検索者に刺さりにくいからです。
名刺を作る予定があるなら、信頼確認用HPだけでも先にURLを用意しておくと便利です。電話番号やメールアドレスも同じで、名刺・ホームページ・Googleビジネスプロフィールの表記をそろえると信頼感が出ます。
関連リンク
信頼確認用HPを軽く作るなら、ペライチなどのホームページ作成サービスが候補になります。テンプレートで事務所案内ページを作りやすく、開業直後に最低限の情報を公開したい人には使いやすいです。プラン内容や料金は変わるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
WEB集客用HPとして育てたいなら、WordPress用のレンタルサーバーと独自ドメインを検討します。長期的に専門ページや記事を増やすなら、最初から自分のドメインを持っておくと運用しやすいです。
WordPressテーマを使うと、デザインやレイアウトを整えやすくなります。士業サイトに合う落ち着いたデザイン、スマホ対応、問い合わせ導線の作りやすさを見て選びましょう。
よくある質問
行政書士開業にホームページは必要ですか?
必須とまでは言い切れませんが、信頼確認用のページは用意しておくのがおすすめです。紹介された人や名刺を受け取った人が、あとから事務所情報を確認できる場所になるためです。WEB集客まで狙うかどうかは別に考えましょう。
信頼確認用HPとWEB集客用HPは何が違いますか?
信頼確認用HPは、紹介や名刺交換のあとに見てもらい、実在性や人柄、業務内容、連絡先を確認してもらうページです。WEB集客用HPは、検索から新規相談を獲得するための営業媒体で、専門ページ、SEOもしくは広告運用、記事追加、導線改善が必要になります。
WordPressとペライチはどちらがよいですか?
信頼確認用HPなら、ペライチなどの簡易サービスでも十分な場合があります。WEB集客用として育てたいなら、WordPressが有力です。ただし、WordPressはサーバー管理、更新、SEO、記事作成などの学習コストがあります。
Googleビジネスプロフィールだけでも大丈夫ですか?
Googleビジネスプロフィールは地域で見つけてもらう補助として役立ちます。ただ、詳しい業務内容やプロフィール、料金の目安、問い合わせ前の不安解消まで整理するには、ホームページがある方が便利です。
ホームページ制作を外注すべきですか?
信頼確認用HPだけなら、必ずしも外注は必要ありません。簡易サービスで十分な場合があります。一方で、WEB集客用HPとして検索から問い合わせを取りたいなら、制作・SEO・記事・改善まで含めて考える必要があり、外注する価値があります。ただし外注すると高額になりやすい点はご留意ください。
まとめ
行政書士開業でホームページを作るなら、まず「信頼確認用HP」なのか「WEB集客用HP」なのかを分けて考えましょう。
紹介や地域のつながり、他士業からの紹介が中心なら、信頼確認用HPで十分なことがあります。1ページでも、事務所名、プロフィール、取扱業務、対応地域、連絡先が確認できれば役割を果たします。高額な制作は必要ありません。
一方で、検索から相談を獲得したいなら、WEB集客用HPとして作る必要があります。専門業務ページ、地域ページ、FAQ、記事、問い合わせ導線、アクセス解析、継続的な改善が必要です。制作会社に頼めば高額になりやすく、自分でやるにも知識と時間が必要です。
最初は信頼確認用HPとして小さく始め、反応がある業務や問い合わせがほしい業務から専門ページを追加していくのが現実的です。月1回でも更新や改善をするつもりがないなら、無理にWEB集客用として作り込まず、信頼確認用として整えるだけでも十分意味があります。
価格やサービス内容は変わるため、サーバー、ドメイン、ホームページ作成サービスを選ぶときは、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

